「月利30%」「AI自動売買で元本保証」──そのLINE招待、本当に大丈夫ですか?
ジュビリーエース/ジェンコ/GTRとは
“月利30%”をうたうアービトラージ投資の正体
ジュビリーエース(Jubilee Ace)、ジェンコ(Jenco)、そして GTR(Globalytics Tech Research)。いずれも2019年以降、コピー取引型FXや暗号資産アービトラージを掲げ、LINEグループ招待や勧誘セミナーで爆発的に会員を増やした投資案件です。
しかし2024年10月9日、東京地裁はジュビリーエースを「実体のないポンジ・スキーム」と認定し、紹介者に損害賠償を命じる判決を下しました(令和6年〈ワ〉33079号)。判決文によれば、同社はおよそ650億円もの資金を集めながら、実際には取引実態を示す記録が存在しませんでした。
ジェンコは2020年に「月利8%のコモディティ裁定取引」をうたい、消費者金融から借入した資金まで出資させる手口が社会問題化。出金停止後、追加で「KYC保証金」を請求する二次詐欺が横行し、2023年末には集団訴訟の原告数が800人を超えました。
そして第3弾と称されたGTRは2021年に登場。「STARシステム」によるAI自動売買を掲げ、「初月から月利30%」との広告で参加者を集めましたが、2023年春以降に出金が全面停止。現在は「アップグレード手数料を払えば出金可能」との虚偽案内でさらなる金銭を要求するケースが報告されています。
SNS型LINE投資詐欺が急増する理由
「簡単」「無料招待」──敷居の低さが生む拡散力
2025年警察統計によると、投資詐欺被害者の90.9%が連絡手段にLINEを使用していました。
Instagram広告をクリックすると「秘密の投資グループ」に招待され、そこでAI自動売買の実績画像や“勝率99%”の取引履歴が共有されます。参加ハードルが低い一方、「出金テストに成功した」「有名FXトレーダーも参加中」などの演出で心理的ハードルを下げ、少額入金を誘います。
わずか数日で利益計上されたダッシュボードが表示されるため、被害者は“利益を逃したくない”焦りから追加入金を繰り返し、損失額が拡大していきます。
2024年後半から顕著になった“税前納付”型の追加請求
出金を申し出ると「日本居住者は源泉税30%を事前納付する必要がある」と説明し、税前納付金として追加入金を迫る――これが2024年以降急増している新たな手口です。納付後も資金は戻らず、さらに本人確認(KYC)再審査料や“保全口座移転費”など、名目を変えて要求が続きます。
3. LINE勧誘の典型的な流れ
下記はジュビリーエース/ジェンコ/GTRに共通する勧誘シナリオです。
5万円のテスト出金は成功。しかし追加で100万円を入れた途端に「KYC再審査料」を要求され、支払った後に完全にブロックされました。
ここまでで「何かおかしい」と感じたら、早期の専門家相談が鍵です。次章では、月利30%をうたう“AI自動売買”の裏側を徹底解説します。
月利30%のカラクリとコピー取引型FXの実態
“実際に取引していない”ダッシュボード生成ツールの存在
ジュビリーエース/ジェンコ/GTRのアプリで表示される「資産推移グラフ」は、実は内部パラメータで自由に利益率を設定できる
ダミー画面です。
海外フォーラムではCopyTrade-CMSという名称のスクリプトが流通しており、
取引履歴・残高・配当日を管理者がワンクリックで改ざんできることが確認されています。
また、本物の取引所を装うために「バイナリーオプション口座をミラー表示」
する iframe が埋め込まれているケースも多数報告されています。実際のシグナルは送信されておらず、
AI自動売買というワードは“集客用のバズワード”に過ぎません。
“利回りブースト”の秘密は後出しチャート
ジュビリーエースの宣材資料では「平均月利30%」を謳いますが、裁判所が開示を命じた
銀行口座の入出金履歴に実際のトレード記録は存在しませんでした。
運営側は後付けでチャートに“当たりシグナル”をプロットし、
「バックテストで100連勝」と誇大宣伝を行います。
“月利30%”が破綻する瞬間
- 新規会員の入金が鈍る
- 「運用口座メンテナンス」で出金停止
- 紹介者グループを削除し、再度名称を変更
- “次世代プラットフォーム”への移行と追加請求

“AIが負けない”と聞いて…
50代女性
半年で300万円を投入。「毎週利益が反映されるから安全」と言われましたが、運営が消えたあと
チャートのスクリーンショットが全部合成だったと知り、呆然としました。
最新判決・被害総額650億円の衝撃
東京地裁 令和6年10月9日判決のポイント
2024年10月9日、東京地方裁判所はジュビリーエースの運営実態を「ポンジ・スキーム」と認定。
判決文では、投資家から集めた資金を実際のアービトラージに回さず、後続出資金を配当原資に充当していた事実が明らかにされました。
さらにジェンコとGTRも「実質同一グループが名称を変えて運営」と指摘され、被害総額は約650億円にのぼると推計されています。
被害額の内訳と時系列
同判決および破産管財人報告書を基に、主要3案件の集金ピークを整理すると以下の通りです。
- 2019年7月~2020年12月:ジュビリーエース…約280億円
- 2020年1月~2022年5月:ジェンコ…約230億円
- 2021年6月~2023年4月:GTR…約140億円
ピーク期には1日あたり最大5億円超が個人口座に流入。
ところが2023年春を境に新規出資が減速し、同年秋には全プラットフォームで出金停止が発生しています。
判決が示す「紹介者の連帯責任」
注目すべきは、紹介者(アフィリエイター)にも損害賠償責任が認定された点です。
運営会社が海外実体を盾に逃亡した場合でも、国内紹介者の法的責任を問える判例となり、返金請求の大きな突破口になりました。
返金方法① 証拠整理と資金フロー解析
スクリーンショット保存は“日時”が命
ダッシュボードやLINEチャットの画面録画・スクショを行う際、ファイル名に
「撮影日時」を含めておくと改ざんリスクを下げられます。
iPhoneなら“クイックメモ”でタイムスタンプ付きURLを自動保存できるため、
被害時系列の裏付けとして有効です。
返金方法② 弁護士・暗号資産トレーシング
専門チームの役割と費用感
返金交渉を成功させる鍵は、弁護士と暗号資産トレーシング会社の
ハイブリッド体制にあります。
弁護士が民事保全・仮差押を申立てる一方、
トレーサーがブロックチェーン上で“受益者ウォレット”を特定。
平均的な成功報酬は回収額の20〜35%が主流で、着手金は
30万〜50万円が相場です。
実績ある手続きフロー
- 受任通知を紹介者へ発送し、交渉開始
- 暗号資産取引所へアカウント情報開示請求
- ウォレット追跡レポートを添付し、仮差押申立て
- 和解交渉または損害賠償請求訴訟へ移行

弁護士+解析で80%回収
60代男性
紹介者口座を差し押さえ、仮想通貨も凍結。回収額は600万円中480万円でした。
二次被害を防ぐ3つのチェックリスト
チャージバック詐欺に注意
「返金を代行する」と称し、先払い手数料を要求する業者が後を絶ちません。
支払方法が暗号資産やギフト券のみの場合は
99%詐欺です。
まとめと今すぐできる対策
今すぐ行動すべき3ステップ
- ステップ1:LINEトーク・ダッシュボードを全保存
- ステップ2:入出金履歴をCSVで抽出
- ステップ3:弁護士+暗号資産トレーシング会社へ相談
被害拡大を防ぐにはスピードが命。
コピー取引型FXの“月利30%”は存在しません。
まずは専門家に無料相談し、資金フローの可視化から着手しましょう。
\ 詐欺被害相談の実績多数 /
「出金できる」と言われ…
30代男性