暗号資産市場は世界で 2 兆ドルを突破し、日本でも個人投資家が急増しています。
その裏で「Aobit 詐欺」や「SNS副業詐欺」が横行し、2025 年に入って被害は右肩上がり。
2025 年 3 月単月の SNS 投資詐欺被害額は55.3 億円と過去最大を記録しました。
本稿では最新の手口・統計・行政警告を網羅的に整理し、自分の資産と個人情報を守る具体策を解説します。
Aobit 詐欺とは?主な手口と事例
Aobit(aobit.cc) は海外の詐欺グループが運営する偽装暗号資産取引所です。
UI は実在の大手プラットフォームをコピーし、利用規約には“Bonavista, Dominican Republic”と虚偽住所を記載。
ドメインは 90 日サイクルで使い捨てられ、IP は香港・ロシア・シンガポールを転々とする“回転ドア型”インフラが特徴です。
最大の武器は「最初だけ勝たせて信用させ、高額入金後に出金をロック」する心理操作。以下 3 つの誘導パターンが報告されています。
1. SNS副業型「クリック報酬」詐欺
TikTok/Instagram のリール広告で「1 日 10 分・副業で 5,000 円」と勧誘し、LINE オープンチャットへ誘導。
運営者は複数アカウントで成果報告を大量投稿し、“みんな稼いでいる”という錯覚を生み出します。
2. ロマンス詐欺+AI運用代行
マッチングアプリで知り合った投資家を名乗る人物が、毎晩ビデオ通話で信頼を構築。
「AI 自動売買で月利 15 %」と誘われ、少額出金で安心したところで 100 万円単位を入金。
その後「保証金 15 %」を請求され払った途端、アプリはロックされ連絡も途絶えます。
3. フィッシング/偽サポート詐欺
Google 広告や SMS で「Aobit アカウントが停止されました」と警告し、偽ログインページに誘導。
メールパス・2FA コードを奪い即時出金、その後「セキュリティ解除料 3 万円」を要求する二重詐欺まで発展します。
被害規模と統計データ(日本国内)
暗号資産関連相談は 2021 年以降急増し、2024 年には 1 万件を突破しました。
年度 | 相談件数 | 増減率 |
---|---|---|
2021 | 6,381 件 | — |
2022 | 5,623 件 | −12 % |
2023 | 8,466 件 | +51 % |
2024 | 11,072 件 | +31 % |
2025(1〜8 月) | 7,315 件 | +44 % |
Aobit への警告と運営実態
- 金融庁は 2025/2/3、Aobit を「無登録交換業者」として警告。
- 東京住所はレンタルスペース、ドミニカ法人番号は別社コピー。
- 日本人顧客への勧誘は資金決済法違反に該当。
被害者の声
マッチングアプリで知り合った女性から「AI 運用で毎月 30 %」と言われ120 万円を入金。ダッシュボードでは倍増表示でしたが、保証金 15 %を払った途端ロック。警察に相談するも海外送金で追跡困難と言われました。
詐欺被害を防ぐためのチェックポイント
チェック項目 | 理由 |
---|---|
「絶対勝てる AI」 | 元本保証をうたう投資は金融庁が違法広告と断言 |
出金前の追加送金要求 | 税・保証金の前払いを求める業者は 100 % 詐欺 |
金融庁登録を確認 | 公式リストにない業者は無登録・違法営業 |
個人名義ウォレット送金 | 法人名義や取引所公式口座以外は資金洗浄リスク大 |
複数人で情報共有 | 家族・友人の客観視点が思わぬ落とし穴を防ぐ |
おわりに
無登録ブローカーは名前とドメインを変えて何度でも登場します。少しでも違和感を覚えたら送金を即停止し、証拠を保存して周囲や専門家へ相談。
冷静な初動が資産と心身を守る最後の砦になります。
\ 詐欺被害相談の実績多数 /
30代男性・自営業
ロマンス+AI運用詐欺